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監督:長崎俊一 出演:八木明人/中達也/鈴木ゆうじ/小宮孝泰/諏訪太朗/深澤嵐/近野成美 /阿南建治/須藤雅宏/小須田康人/吉野公佳/白竜/大和田伸也/夏木陽介 他 【ストーリー】 昭和7年、義龍(八木明人)、大観(中達也)、長英(鈴木ゆうじ)の3人は柴原英賢(夏木陽介)の道場で空手の修行に励んでいた。そこへ憲兵隊が乗り込んで来て、道場を明け渡すよう命令する。大観は次々と憲兵隊たちを倒していくが、師の「空手は争うためにあらず」という教えを守り、義龍は相手の攻撃をひたすらかわす... 【感想】 <ストーリーにふれる部分があります> 映画の冒頭は、ストイックな空手修行の場面が続く。はぁーはぁーという呼吸音が印象的。 組み手なしの自己鍛錬。この後どういう展開になるのだろうと心配になる静かな出足であった。 と、そこに憲兵隊が乗り込んでくる。英賢は「突いてはならぬ、蹴ってはならぬ」と指示するが、大観はつぎつぎと憲兵を打ち倒す。交替を命じられた義龍は、攻撃はせず、受けだけで隊長を打ち負かす。 なぜ攻撃してはいけないのかと詰め寄る大観に、英賢は「おのれに劣るものに勝って何になる。それで成長はできない。 戦いはおのれの中にある。」と諭す。印象的なセリフだった。 英賢の急逝で物語は転換し、“黒帯”の継承者を目指して全く違う道を歩む大観と義龍が描かれる。 義龍は、隊長の仇討ちに来た息子と娘によって手傷をうけ谷に転落。義龍が死んだらこの後物語はどうなるんだろうと思ったら、ちゃんと百姓に助けられていた。 一方の大観は憲兵隊に手を貸し、兵隊の鍛錬と、道場破りにあけくれる。攻撃の技を高めて強い相手を倒して最強となるものが”黒帯”の継承者となるべきという信念に基づいた行動であった。 悪い憲兵隊長が出てくるので、よくある善玉・悪玉劇のような展開を少し予想したがまったく違った。 軍部の台頭は狂言まわしで、あくまでも物語の本筋は、空手道の象徴である”黒帯”をめぐる大観と義龍の戦いであった。 いろいろあったけど、最後はこの二人の死闘とも言うべきラストシーンに収斂していく。 ラストの死闘は画面のカラーが変わる。死闘が終わると、横たわる二人のまわりには色鮮やかな真っ赤なヒガンバナが現れる。 師の言葉の意味を最後に知る大観への想いがそこにこめられていた。極めて印象的。 単純な善と悪との対峙ではなく、道を極めようとする二人の戦いの結末に爽快感はなかった。命を賭さなければ真髄がわからなかった大観への哀しさだけが残った。これは、日本以外の国では作ることのできない、オリジナリティーに溢れた傑作だと思う。 主演のふたりは、義龍が沖縄空手を代表する八木明人、大観が伝統派空手道の師範中達也だそうである。 俳優が空手を演じるのではなく、空手の達人が俳優を演じたところに、本作の迫力を生む要因の一端があったと感じた。 |
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