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<<   作成日時 : 2007/11/03 15:07   >>

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監督:マルセル・シュプバッハ
出演:カルラ・デル・ポンテ 他
【ストーリー】
ユーゴ紛争で起きた集団虐殺の責任者たちを告発するため、世界を飛び回る国連検察官カルラ・デル・ポンテ。犯人逮捕のため国家首脳と交渉を行うが、戦犯をかくまい協力を拒む国もあり、捜査はなかなか進展しない。虐殺で家族を失った女性たちの叫びに応えるべく、戦犯の情報を求めカルラはアメリカ国防総省に向かうが……。
【感想:前段】
戦犯と聞いてまっさきに思い浮かぶのはナチス・ドイツである。最初にカルラ・デル・ポンテの写真とこの映画の紹介文とをちらっと見たとき、テーマはナチスだと勘違いした。”さらば、ベルリン”を最近みた影響もある。
あらためてチェックすると、旧ユーゴスラビア紛争下で起きた集団虐殺の責任者たちをを探し出し、起訴するために闘う国連検察官カルラ・デル・ポンテの姿を追った社会派ドキュメンタリーであることがわかった。

旧ユーゴスラビア紛争については、サッカーを通じてしか知らない。報道されたのだろうが力は入ってなかったと思う。
木村元彦の3部作「誇り」「悪者見参」「オシムの言葉」で知るのみである。
制裁で国際大会に出場できなくなったり、同じチームで戦った仲間がバラバラになってしまったり。
個人レベルでは仲が良くても、国同士は戦争している。
なんでそんなことになってしまったのか少しでも知ることができればと思った。

映画の内容は、紛争が起こった原因や内容にはまったくふれず。
1995年に起こった虐殺事件を中心とする戦争犯罪で容疑者となった者たちを逮捕するために、カルラ・デル・ポンテとそのチームがどのような活動をしているかを追う。
虐殺で、夫や息子を亡くした女性たちの姿も挿入された。
大量に掘られた墓穴や、ずらりと並ぶ墓標、夫や息子のことを案じる女性達の映像が印象的である。

【ユーゴスラビア】
旧ユーゴスラビアは、現在6つの共和国(スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、マケドニア)で構成され
5つの民族(スロベニア、クロアチア、セルビア、モンテネグロ、マケドニア)
4つの言語(スロベニア語、クロアチア語、セルビア語、マケドニア語)
3つの宗教(キリスト教(カトリック,スロベニアではプロテスタント)、セルビア正教、イスラム教)
が存在する多様性を持った社会主義連邦国家だった。
冷戦終結後紛争が発生。政治家たちが民族主義をあおったことが最大の原因だろう。
2006年6月、モンテネグロ共和国の独立に伴い、セルビア共和国が独立して名実共に旧ユーゴスラビアは消滅。

大半の人は、ユーゴスラビアという名前を聞いたことがあっても、世界地図上の位置を即座に明確には答えられないだろう。わたしもピクシーが日本に来なければたぶんなんの興味も持たずに終わったと思う。
バルカン半島の先っぽに位置するのがギリシャ。旧ユーゴスラビアはギリシャの北、イタリア半島とは、アドリア海をへだてた東側にある。社会主義国の圏内の国ってなんとなくソビエト連邦の隣にあるイメージで、ギリシャのすぐそばにあるとは思えなかったりするのはわたしだけだろうか。

画像


【スレブレニツァの虐殺】・・・プレスより
ボスニア紛争末期の1995年7月11日、ムラジッチ率いるセルビア人勢力が、モスレム人(イスラム教徒)が大半を占める炭鉱の街を包囲、女性・幼児と選別後(彼女達は近隣のモスレム支配地にバスで強制退去させられた)、約7800人の男性を市内各地で虐殺して埋めた(少なくとも40の集団埋葬跡が発見されている)。第2次世界大戦後最悪とされる虐殺事件。

【感想:後段】
国連検察官カルラ・デル・ポンテとそのチームが、大物戦犯を捕捉するため、クロアチアの政府の責任者と交渉する。
EUに加入したいクロアチア政府とのかけひきのすえ、クロアチア人として最後に残った大物ゴトヴィナ将軍をスペインのカナリア諸島で捕えることに成功する。
捜査権のないカルラは、各国政府との交渉や国連での演説によって世論を形成し、戦犯を差し出さざるを得ない状況を作り出すという極めて困難なオペレーションを遂行する。
最後にセルビア人6人が今も逮捕されずに逃げ延びていることが示される。セルビアにもたびたび出張し、政府は何度も逮捕を約束するが結局果されない。
ミロシェビッチは訴追できたが、ムラジッチとカラジッチがまだ逮捕できていない。この二人が逮捕できないとミッションの半分しか達成したことにはならないというカルラの強い使命感には胸うたれるものがある。
国際正義の遂行がいかに困難であるかを訴える狙いは達成されていた。

【正義について】
「大量虐殺、人道に対する罪はローカルな問題としてのみ扱われるべきではない。そうした罪は一国家の法体系を超え、国際正義の名の下に起訴されるべきである。そして、この国際法を超越することが不可能であることを、本法廷は証明する」
ーカルラ・デル・ポンテ(旧ユーゴ国際刑事法廷、国連検察官)
カルラの言う国際正義はおそらく本当の正義なのだろう。反論の難しい国際正義をもって各国政府と交渉しても、なかなか進展しない。
犯人の居場所を通報しても、その家の窓の数はいくつだ?と言われた、そういう話は枚挙に暇が無いというカルラのスタッフの証言の意味するところは何か?世界にはいろいろな正義があって線引きが難しい。
起きた罪の訴追も重要だと思う。が、その国際正義が遂行されたとしても、また、どこかで似たような出来事は必ず起きる。
いつまで同じことをくり返すのだろうと暗澹たる思いにとらわれた。
というわけで、当日くばられたチラシに掲載されていた各界からのコメントの中では
さいとう・たかを氏(漫画家)のコメント
「この映画は、国際的活動の難しさとか、権力者による犯罪告発映画と言うより、人間の限りない愚かさを告発する映画である。」
にもっとも共感した。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
映画:カルラのリスト 試写会
カルラのリスト 試写会(東京都写真美術館ホール) ...続きを見る
駒吉の日記
2007/11/05 16:50
mini review 08315「カルラのリスト」★★★★★★★☆☆☆
旧ユーゴ紛争の戦争犯罪人を探し出し、起訴するために闘う国連検察官カルラ・デル・ポンテの姿を追った社会派ドキュメンタリー。紛争下で起きた集団虐殺の責任者たちを告発する旧ユーゴスラビア国際刑事法廷に初めてカメラが入り、“国際正義”を貫こうと奔走(ほんそう)する女性の活動を映し出す。戦犯捜査に非協力的な当事国の対応など、国際社会の中で戦争犯罪を裁き、正義を貫くことがいかに困難なことであるかを浮き彫りにしている。[もっと詳しく] ...続きを見る
サーカスな日々
2008/08/07 00:56

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
TBありがとう。
カラジッチはようやく捕まったわけだけど、カルラのコメントを聞いてみたいですね。
kimion20002000
2008/08/07 01:00

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