ジプシーキャラバン

画像
監督:ジャスミン・デラル
出演:タラフ・ドゥ・ハイドゥークス/エスマ/アントニオ・エル・ピパ
/ファンファーラ・チョクルリーア/マハラジャ/ジョニー・デップ 他
【ストーリー】
4か国5つのバンドで回る“ジプシー・キャラバン・ツアー”の面々は、北米ツアーの初日を満員のニューヨークで迎えた。
この初日から6週間に渡るツアーの模様と、バスでの移動をともにしながら撮影した彼らの素顔を追う。さらに、インドをルーツに各地に広がり、芳醇(ほうじゅん)な音楽を生んだロマの文化と、それぞれの人生にも迫っていく・・・・・・
【感想】
知らないこと、知らないんだけどイメージだけで誤解していること、が本当に多いということを教えてくれる映画だった。
まず、ジプシーのルーツがインドにあることを知らなかった。
冒頭北インドのラジャスターンの子供たちが楽器を鳴らして歌う場面がある。
なんだかわからないけど、慣れているというか、音感があるというか、日本のこどもにはできそうにない歌を披露する。
ユダヤ人は商才、彼らは楽才に生まれながらにして恵まれているのだろう。

ジプシーは誤解され差別を受け続けてきた。
わたしのジプシーのイメージは、シェールの ”Gypsys, Tramps & Thieves” や ドーンの ”Say Has Anybody Seen My Sweet Gypsy Rose” 、ウォー の、その名も ジプシーマン で形づくられたものでしかない。
シェールの歌は印象に強く残っているが、題名からして ジプシーは放浪して盗む。偏見を絵に描いたような歌だったのですね。

映画は、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスが声を掛け、ジプシー(ロマ)をルーツとする5つのバンドが北米を回ったツアー、“ジプシー・キャラバン・ツアー”に密着した音楽ドキュメンタリーである。
5つのバンドは
スペインの アントニオ・エル・ビバ・フラメンコ・アンサンブル
ルーマニアの タラフ・ドゥ・ハイドゥークス
マケドニアの エスマ
ルーマニアの ファンファーラ・チョクルリーア
インドの マハラジャ
である。

それぞれのグループのパフォーマンスと共に彼らの国で撮影したプライベートな映像が紹介される。
最近までジプシー迫害の中に生きてきた日々や、今でも冠婚葬祭で演奏する彼らの姿も垣間見られる。

マケドニアのエスマは、父親がナチス・ドイツによる大量虐殺の唯一の生き残りで、右足を失いながら靴磨きで生計をたてた話をする。
ナチス・ドイツは、ユダヤ人とともにロマも迫害したのである。
コソボの難民を救うためのチャリティーコンサートを開催。
世の中から、貧困と戦争と難民をなくしたいと訴える。
世界はロマを見習うべき、迫害はされたけど迫害したことはないという言葉に説得力があった。

スペインの アントニオ・エル・ビバ・フラメンコ・アンサンブルはフラメンコが演目。
歌といい踊りといい実に見事であった。
ジプシーがフラメンコのルーツであるらしい。
しかし、彼らはロマ語を話すことはできない。

インドのマハラジャのパフォーマンスでは
演奏にあわせ、女装してくるくると周って踊るダンスがとても印象的。
世界でふたりにしかできないダンスだそうである。

ルーマニアの タラフ・ドゥ・ハイドゥークスとタラフ・ドゥ・ハイドゥークスは
弦楽器と管楽器を使った練達の技を見せてくれる。

それにしても、ジプシーのひとことでくくることなどとても不可能な多様性である。
音楽も、言語も、生活も。
それがよくわかった。

『耳に残るは君の歌声』でタラフと共演したジョニー・デップのインタビューも見どころ。
ハリウッドに流布するジプシーのイメージは偏見に充ちていると静かに語る。
観終わって、ジョニーデップがぽつりぽつりと語った言葉の正しさを感じました。

音楽に興味の無い人はたぶんつらかっただろう。
”ブロックパーティー”のときほどではなかったけど場違いにみえる観客も散見。
中には途中退席する人もいた。でも終映後盛大な拍手が起きました。
とても中味の深い味のある映画だったと思います。

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