抱擁のかけら

1月28日(木)二回目の観劇@一ツ橋ホール
ゲストは山本モナ。
真っ赤なドレスに身を包んでやって来た。
映画の見所を語る。
KYなこともある彼女だが、今日の話は参考になった。
最後に「すなおさ」についての持論を展開。
すなおになりすぎるのも考え物というようなことを言った気がする。

今日もまた、隣に座ったのは還暦ばあさんコンビ。
これまた三重苦のばあさんだった。
①上映中にチョコをがさがさ取り出して食べ、ジュースを飲む。
  ホール内は飲食禁止だっちゅうの
②クライマックスで思わず「それで目が見えなくなっちゃうんだ。」
  黙ってろ!
③携帯電話をとりだしてごそごそ。
  これをやる奴はほんとに許せん。
あんた方は、あまりにも自分にすなお過ぎる。(笑)
ひとの迷惑よりも何よりも、自分のしたいことできる「すなおさ」は許しがたい。

で、「抱擁のかけら」である。画像
監督・脚本: ペドロ・アルモドバル
キャスト
レナ☆ペネロペ・クルス
マテオ・ブランコ/ハリー・ケイン☆ルイス・オマール
ジュディット・ガルシア☆ブランカ・ポルティージョ
エルネスト・マルテル☆ホセ・ルイス・ゴメス
ライ・X☆ルーベン・オカンディアノ
ディエゴ☆タマル・ノバス

【ストーリー】
愛する人と視力を失った14年前の事故を封印し、名前を変えて生きる脚本家のハリー(ルイス・オマール)。
かつて、ハリーは新進気鋭の映画監督だった。
ハリーは主演女優のレナ(ペネロペ・クルス)と激しい恋に落ちるが、レナには権力のあるパトロン、エルネスト(ホセ・ルイス・ゴメス)がいた。
ある日、逃避行先の島で、二人を悲劇が襲う。
【感想】
この映画は2回以上観る事をおすすめします。
登場人物の数は多くありませんが1回で理解するのは難しい。
2回目観るとまた疑問がわいてきてさらにもう1回観たくなる。
難解ではないのにまた新たなミステリーが生じてくる。
そんな作品です。

「それでも恋するバルセロナ」でオスカーを獲得したペネロペ・クルス。
この映画での演技は、受賞作をはるかに凌駕。(笑)
最初はエルネストのオフィスでの登場。
グレーのスーツに身を包んでいます。
廊下を歩くバックショットが最高にセクシー。
「エレジー」に続き、サービスショットもありますが、そのシーンよりも服を着たシーンの方が気に入りました。
女性として経験しうるあらゆるシーン。
および、映画の中での演技と非常に幅広い場面で微妙な表情を演じ分けていて感心。
なんといってもこの映画でのMVPです。

ストーリーは、監督が“ダブル”と言っている通り重層的。
エルネストとライX、マテオとハリー、レナとピナ。
それぞれがこの映画の中で再生していく。
愛と再生の物語が観客に力を与えてくれる。
まさにアルモドバル流の人生賛歌と言えるでしょう。

風景が美しいのも見所のひとつ。
印象的なシーンがふたつありました。
両方とも抱擁の場面です。
ひとつは、ランサロテ島の海を臨む崖の上。
赤いシャツ着てカメラをかまえるマテオの後ろからレナが抱きついているシーン。
文字通り絵になるシーンでした。

ふたつめは同じくランサロテ島のバンガローのシーン。
TVでロベルト・ロッセリーニ監督の「イタリア紀行」を二人で見ているシーンです。

画面の中に、赤い色がよく登場するのも面白かった。
何気なく映ったハンガーの色は真っ赤。
鉢植えの花も赤。
着ている服や車も赤。
絵の額縁も赤。
真っ赤なトマト。
情熱の赤。
言われてチェックしながら観ていたら赤だらけでちょっとびっくりしました。

最後にもうひとつ。
ランサロテ島のバンガローに破り捨てられていた大量の写真。
いったい誰が破いたのか?
観客のイマジネーションをふくらませる仕掛けもあって楽しめました。

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