ルック・オブ・サイレンス

(C) Final Cut for Real Aps, Anonymous, Piraya Film AS, and Making Movies Oy 2014
英題:THE LOOK OF SILENCE
製作年:2014年
製作国:デンマーク/インドネシア/ノルウェー/フィンランド/イギリス
日本公開: 2015年7月4日 (シアター・イメージフォーラムほか)
上映時間: 1時間43分
日本語字幕:岩辺いずみ
配給: トランスフォーマー
製作総指揮: エロール・モリス/ ヴェルナー・ヘルツォーク/ アンドレ・シンガー
製作・監督: ジョシュア・オッペンハイマー
撮影: ラース・スクリー
【ストーリー】
1960年代のインドネシアで秘密裏に行われ、およそ100万人もの命が奪われた大量虐殺。眼鏡技師の青年アディさんは、自分が生まれる前に兄が惨殺されたことを知り、さらに加害者たちがインタビュー映像でその模様を喜々として語る姿にショックを受ける。加害者たちがどのような思いで殺りくに手を染めたのか、そして罪を犯したことを自覚させたいと考えたアディさんは、ジョシュア・オッペンハイマー監督と一緒に彼らと会うことを決意。視力検査を行いながら、加害者たちからさまざまな言葉や真実を引き出そうとするが……。
【感想】
まっつぁんこの評価 ★★★
この映画について軽々しく語ることはできない。
ハンナ・アーレントでも描かれた「凡庸の悪」を語っているのでもなさそう。
映画の中でアディさんは加害者たちにインタビューを行う。
その映像の部分はよくわかる。
いろいろインタビューして、最後に Silence が訪れる。
疑問なのはその他の映像。
① 加害者たちが何故惨殺の模様を喜々として語るのか?
アクト・オブ・キリングを観ていないのでよくわからないが、前作の映像なのだろうか?
だいたい、戦争の時に人を殺した話なんかしないのが普通だ。
わたしの伯父も復員してすぐの時は興奮して語ったようだが、その後は口をつぐんでいた。
年月がたってから、なぜ人殺しの模様を語るのかがわからなかった。
⇒前作みればわかるのだろうか?
② アディさんのお父さん
老齢で認知症でたいへんなのはわかる。
加害者たちが裕福そうで、アディさん家族が貧乏でたいへんなのもわかった。
でも、この映画の主題は何なのかよくわからなくなってしまった。
目を背けたくなるような映像を気を高めて観たが意図がわからなかった。
もう少し整理して、100万人虐殺がなぜ起きたのか掘り下げて欲しかった。
それも「アクト・オブ・キリング」観ればわかるのだろうか?
この記事へのコメント
アクト~で説明があったのかもしれないですが
観てないですからね...
最初のTVに見入っているのもわかりませんでした。
アクト~の映像を被害者家族に見せたとことから
始まったんでしょう。と後から想像しました。
「アクト」視聴が前提の映画なのでしょう。
それはさておき、ドキュメンタリーとしては長過ぎて冗長。カットすればもっとインパクトの強い作品になったと思います。
私も「アクト~」を見ないまま鑑賞したのですが、彼が見つめていた映像は前作を作るときに撮影された資料映像です。
かなり淡々としているところが、日常と隣り合わせの苦悩を表しているようにも思えました。
ありがとうございます。
アクト~も見ろということですね(笑)
一作でムリなく理解できる構成をお願いしたいところ。十分可能に思えるので残念でした。