朽ちた手押し車

朽ちた手押し車@丸の内TOEI②

製作年:1984年画像
製作国:日本
日本公開:2014年5月3日
(丸の内TOEI ほか)
上映時間:2時間14分
配給:アークエンタテインメント
製作:ハネシネマ

監督・脚本: 島宏

キャスト
三國連太郎
初井言榮
田村高廣
長山藍子
誠直也
志和慶子
岸ユキ
谷村昌彦
伊沢一郎
秋山直美
星ルイス
たこ八郎
江戸家猫八
下條アトム
高橋悦史


【ストーリー】
昭和59年(1984年)、新潟県。元漁師の安田源吾(三國連太郎)は、老人特有の認知症で毎晩はいかいを繰り返していた。さらに妻のトミ(初井言榮)に、余命半年という重病が発覚する。不治の病で死を待つばかりの老母の「殺してくれ」という訴えに悩まされる息子夫婦たち。するとある日、長男の忠雄(田村高廣)が、医者(下條アトム)に対して安楽死の提案をし……。

認知症の父親と末期患者の母親を抱えた一家の苦悩を通し、高齢化社会や認知症、尊厳死などの問題を描いた社会派ドラマ。撮影当時61歳だった主演の三國連太郎は、2時間以上かけた特殊メイクで80歳の認知症老人に成り切り、失禁して汚れた着物のままうつろな表情で海岸をはいかいするなど、鬼気迫る演技を披露。

【感想】
初日舞台挨拶つき上映で観劇。
終映後に長山藍子さんと誠直也さんが登壇。
誠さん「(この映画の)家族は兄嫁(長山さん)以外全員鬼籍にはいった」
監督の島さんも昨年逝去されたそうだ。
30年のお蔵入りは長かった。

結論からいって

何でお蔵入りになっていたのか不思議なくらいの名作で必見! 

映画の冒頭から、当時61歳だった三國さんの特殊メイクによるボケ老人の演技に圧倒される。

「高齢化社会や認知症、尊厳死などの問題を描いた社会派ドラマ」
テーマは重く、観終わっても何の救いもない。
気分が重くなる。
が、それが人生の現実だ。

30年前製作の映画だが、まったく古さは感じない。
むしろ現代にこそぴったりの映画である。

この映画の母親が罹った筋萎縮性側索硬化症は30年経った今でも原因不明で治療法がない。
人工呼吸器の装着による延命は可能だが、そんな時家族としてはどうする?

認知症だって結局施設にいれるくらいしか打つ手はない。

本人の対策としては
①延命治療は希望しないことをあらかじめ明確に意思表示しておく

家族の対策としては
①見栄をはらず無理のない範囲でケアをする
②家族だけでかかえこまず(=見栄をはらずw)ひとの助けをかりる

救急ではこびこまれると、人工呼吸器と胃瘻を装着されてしまうことがある。
そうなると回復の見込みもないのにずっと心臓だけ動き続けることになる。
医療の進歩はありがたいことだけど、そうなった場合の安楽死など
法的整備が遅れているので家族が苦しむことになるのである。
早急なルール整備が必要と考える。

2時間14分と尺は長いけどすぐに終わる。
お手軽邦画ばかりでなく、たまにはこんな映画を観るのも有意義なことではないだろうか?


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この記事へのコメント

KLY
2014年05月04日 16:55
観に来てくれてありがとう。
実はお蔵出し映画祭を運営している映画会社が、私のプロデュースするちちぶ映画祭の運営もしていて、その関係でこの作品を知りました。
今だからこそ皆普通に受け止められるのでしょうけども、30年前は早すぎたのでしょうね。老人の介護に関しては、長山さんが劇中で「年取ったらだれでもこーなるだがや!」と娘に諭してましたが、全くその通り。
私達全員に平等に振りかかる現実なんですよね。そして死ぬ権利。30年たっても答えは出ていない。でももしかしたらそれは解っていて考えてこなかったからかもしれない。

三國さんの演技というには余りにも凄い同化ぶり。一流の女優・長山藍子をもってして、糞尿垂れ流しから匂いがしたと言わしめたあの演技。凄いとしか言い様が無いです。
2014年05月04日 18:12
KLYさん
コメントありがとうございます。
ちちぶ映画祭の情報ください。微力ながらひろめます。
老人介護も死ぬ権利も昔から認識されていたと思います。年金問題も私が学生だった34年前の学祭で破綻すると発表しました。わかってるのに本質的な手が打てない。この映画を盛り上げて少しでも世の中がいい方向にむかう動きにつなげたいところです。
KLY
2014年05月05日 13:18
ちちぶ映画祭の件、ありがとうございます。基本的にfacebookで情報発信をしていく予定です。もちろん公式サイトやtwitterもあります。よろしかったら下記をご覧になって見て下さいませ。
https://www.facebook.com/chichibufilmfestival

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  • 『朽ちた手押し車』 2014年5月3日 丸ノ内東映

    Excerpt: 『朽ちた手押し車』 を鑑賞しました。 30年前の作品で、昨年の蔵出し映画祭で観客賞とグランプリを獲って 蔵出しされて公開になった作品です。 【ストーリー】  昭和59年(1984年)、新潟県。元漁.. Weblog: 気ままな映画生活(適当なコメントですが、よければどうぞ!) racked: 2014-05-04 10:47