紙の月
紙の月@TOHOシネマズ六本木ヒルズ
宮沢りえさん
祝!日本アカデミー賞主演女優賞受賞
東京国際映画祭で観劇。

(C) 2014「紙の月」製作委員会
製作年:2014年
製作国:日本
日本公開: 2014年11月15日
上映時間: 2時間6分
制作プロダクション: ROBOT
配給: 松竹
原作: 角田光代
監督: 吉田大八
キャスト
梅澤梨花☆宮沢りえ
平林光太☆i池松壮亮
相川恵子☆大島優子
梅澤正文☆田辺誠一
井上佑司☆近藤芳正
平林孝三☆石橋蓮司
隅より子☆小林聡美
他
【ストーリー】
バブルがはじけて間もない1994年、銀行の契約社員として働く平凡な主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)は綿密な仕事への取り組みや周囲への気配りが好意的に評価され、上司や顧客から信頼されるようになる。一方、自分に関心のない夫との関係にむなしさを抱く中、年下の大学生・光太と出会い不倫関係に陥っていく。彼と逢瀬を重ねていくうちに金銭感覚がまひしてしまった梨花は、顧客の預金を使い始めてしまい……。
【感想】
まっつぁんこの評価 ★★★★☆ 桐島より断然良かった(笑)
上映前に宮沢りえさん池松壮亮さんと監督による舞台挨拶あり。
終映後に吉田大八監督と矢田部ディレクターによるQ&A。
・桐島の次回作に「紙の月」を選んだ理由は?
A.桐島とは違うことをやりたかった。話をもらい原作を読んでヒロインが逃げている姿が焼付いた。その姿が育っていき、自分で撮るしかないと思った。
質問1 効果的に聖歌が使われているがその意図は?
A.一回目は中盤で光太が金を受け取り、梨花の中学時代の回想でキャンドルライトと共に流れる。もう一回最後にクリスマスの歌。雨の御使いもクリスマスの歌。喫茶店のシーンは年初の設定だったが雪が降っていたので雨の御使いをつかうことにした。中学時代の曲が最後にもう一回流れてオーバーラップする演出効果を狙った。
質問2 お金の価値について。宮沢さんと小林さんどちらに共感しますか?
A.いま共感の意味を考えている。自分がどこに共感しているか?全ての登場人物に共感している。彼女たちに突っ走ってもらって、それを見届けたいという思いで作った。
・小林さんは原作にないキャラクターですが?
A.原作にいた人がいなくなり、梨花の背を押したり追い詰めたりするキャラクターが出来上がった。梨花が出来上がらないといけないので、彼女にぶつけるものを考え、隅や相川ができあがっていった。
質問3 桐島は群像劇で時系列入れ替えのしかけがあったが、今回の作品の工夫や苦労した点は?
A.時系列や語り口で言うと、原作では梨花の昔の知り合いが語って彼女の人物像が浮かび上がる構成になっている。それをなくして銀行の中で表現するようにした。梨花が行動を起こすとき誰かとの接触が必要になる。現像劇でなく銀行の中で圧力を高め最後に爆発する。苦労した点としては、どうやって横領するか聞いてもこうすればできるとは教えてくれない。OBの人に色々聞いて、もしやるならこんな感じと作り上げた。銀行の中の仕組みを知らねばならず大変だった。
質問4 監督の作品は女性がテーマのことが多い。それも空虚さをかかえた女性。どう意識されていますか?
A.たしかに勘違いしていたり空虚さをかかえた女性の登場が多いかもしれない。空虚さを真空まで高め、真空に何かを呼び込んで何かを起こす。自分がそういうのが好きだから。考えていることと現実のギャップから何かを起こす。気が付くとそこにいる。
・宮沢さんの役作りは?
A.撮影前はご飯を食べたのと衣装合わせくらいで役についての話はしなかった。撮影が始まってから、私がセックスピストルズのMy Wayを聞きながら脚本を準備していることを聞いたらしく、彼女は「何も言わなくて大丈夫」と言ったと聞いた。映画のために一切の妥協なく自分を投げ込んで期待以上の演技を見せてくれた。
質問5 梨花から金をもらって光太は何かが変わってしまうというセリフがあったが、光太の方が変わったと思う。何か注文したんですか?
A.池松くんとは2度目の仕事。こうしてとかはあまり言っていない。宮沢さんのいい顔引き出して!と言っただけ。シナリオ読んで、どういう表情すればどういう表情がかえってくるか二人のセッションでやってくれた。
質問6 最後のタイのシーン短かった。あの長さになったのは何故?
A.そうですかね?人の映画みてぜいたくかなと思ったことはある。やりたかったのは、実はもっと短かった。最適なシーンを撮ることしか考えていなかった。意外な質問。考えてみます。
今日の質問6名全て男性。そういうことは珍しい。
最後に監督からひとこと。
女性が質問してくれなかった。女性がどう感じたかも知りたい。
共感はしにくいかもしれないが家であたためて欲しい。
別に梨花にも光太にもまったく共感はしなかったけど、きわめて興味深く観ることができました。
宮沢りえさん
祝!日本アカデミー賞主演女優賞受賞
東京国際映画祭で観劇。

(C) 2014「紙の月」製作委員会
製作年:2014年
製作国:日本
日本公開: 2014年11月15日
上映時間: 2時間6分
制作プロダクション: ROBOT
配給: 松竹
原作: 角田光代
監督: 吉田大八
キャスト
梅澤梨花☆宮沢りえ
平林光太☆i池松壮亮
相川恵子☆大島優子
梅澤正文☆田辺誠一
井上佑司☆近藤芳正
平林孝三☆石橋蓮司
隅より子☆小林聡美
他
【ストーリー】
バブルがはじけて間もない1994年、銀行の契約社員として働く平凡な主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)は綿密な仕事への取り組みや周囲への気配りが好意的に評価され、上司や顧客から信頼されるようになる。一方、自分に関心のない夫との関係にむなしさを抱く中、年下の大学生・光太と出会い不倫関係に陥っていく。彼と逢瀬を重ねていくうちに金銭感覚がまひしてしまった梨花は、顧客の預金を使い始めてしまい……。
【感想】
まっつぁんこの評価 ★★★★☆ 桐島より断然良かった(笑)
上映前に宮沢りえさん池松壮亮さんと監督による舞台挨拶あり。
終映後に吉田大八監督と矢田部ディレクターによるQ&A。
・桐島の次回作に「紙の月」を選んだ理由は?
A.桐島とは違うことをやりたかった。話をもらい原作を読んでヒロインが逃げている姿が焼付いた。その姿が育っていき、自分で撮るしかないと思った。
質問1 効果的に聖歌が使われているがその意図は?
A.一回目は中盤で光太が金を受け取り、梨花の中学時代の回想でキャンドルライトと共に流れる。もう一回最後にクリスマスの歌。雨の御使いもクリスマスの歌。喫茶店のシーンは年初の設定だったが雪が降っていたので雨の御使いをつかうことにした。中学時代の曲が最後にもう一回流れてオーバーラップする演出効果を狙った。
質問2 お金の価値について。宮沢さんと小林さんどちらに共感しますか?
A.いま共感の意味を考えている。自分がどこに共感しているか?全ての登場人物に共感している。彼女たちに突っ走ってもらって、それを見届けたいという思いで作った。
・小林さんは原作にないキャラクターですが?
A.原作にいた人がいなくなり、梨花の背を押したり追い詰めたりするキャラクターが出来上がった。梨花が出来上がらないといけないので、彼女にぶつけるものを考え、隅や相川ができあがっていった。
質問3 桐島は群像劇で時系列入れ替えのしかけがあったが、今回の作品の工夫や苦労した点は?
A.時系列や語り口で言うと、原作では梨花の昔の知り合いが語って彼女の人物像が浮かび上がる構成になっている。それをなくして銀行の中で表現するようにした。梨花が行動を起こすとき誰かとの接触が必要になる。現像劇でなく銀行の中で圧力を高め最後に爆発する。苦労した点としては、どうやって横領するか聞いてもこうすればできるとは教えてくれない。OBの人に色々聞いて、もしやるならこんな感じと作り上げた。銀行の中の仕組みを知らねばならず大変だった。
質問4 監督の作品は女性がテーマのことが多い。それも空虚さをかかえた女性。どう意識されていますか?
A.たしかに勘違いしていたり空虚さをかかえた女性の登場が多いかもしれない。空虚さを真空まで高め、真空に何かを呼び込んで何かを起こす。自分がそういうのが好きだから。考えていることと現実のギャップから何かを起こす。気が付くとそこにいる。
・宮沢さんの役作りは?
A.撮影前はご飯を食べたのと衣装合わせくらいで役についての話はしなかった。撮影が始まってから、私がセックスピストルズのMy Wayを聞きながら脚本を準備していることを聞いたらしく、彼女は「何も言わなくて大丈夫」と言ったと聞いた。映画のために一切の妥協なく自分を投げ込んで期待以上の演技を見せてくれた。
質問5 梨花から金をもらって光太は何かが変わってしまうというセリフがあったが、光太の方が変わったと思う。何か注文したんですか?
A.池松くんとは2度目の仕事。こうしてとかはあまり言っていない。宮沢さんのいい顔引き出して!と言っただけ。シナリオ読んで、どういう表情すればどういう表情がかえってくるか二人のセッションでやってくれた。
質問6 最後のタイのシーン短かった。あの長さになったのは何故?
A.そうですかね?人の映画みてぜいたくかなと思ったことはある。やりたかったのは、実はもっと短かった。最適なシーンを撮ることしか考えていなかった。意外な質問。考えてみます。
今日の質問6名全て男性。そういうことは珍しい。
最後に監督からひとこと。
女性が質問してくれなかった。女性がどう感じたかも知りたい。
共感はしにくいかもしれないが家であたためて欲しい。
別に梨花にも光太にもまったく共感はしなかったけど、きわめて興味深く観ることができました。
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