エル ELLE

エル ELLE@有楽町朝日ホール

フランス映画祭で観劇。

(C) 2015 SBS PRODUCTIONS - SBS FILMS- TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION - FRANCE 2 CINEMA - ENTRE CHIEN ET LOUP
英題:ELLE
製作年:2016年
製作国:フランス/ドイツ/ベルギー
日本公開:2017年8月25日 (TOHOシネマズ シャンテほか)
上映時間:2時間11分
配給:ギャガ

監督: ポール・ヴァーホーヴェン
原作: フィリップ・ディジャン

キャスト
ミシェル☆イザベル・ユペール
パトリック☆ロラン・ラフィット
ロベール☆クリスチャン・ベルケル
アンナ☆アンヌ・コンシニ
ヘレン☆ヴィマラ・ポンス
リチャード☆シャルル・ベルリング
レベッカ☆ヴィルジニー・エフィラ
ヴァンサン☆ジョナ・ブロケ
ジョシー☆アリス・イザーズ
アイリーン・ルブラン☆ジュディット・マーレ


【あらすじ】
ゲーム会社でCEOとして働くミシェル(イザベル・ユペール)は、ある日自宅で覆面を被った男に襲われる。自分のペースを崩さず日常生活を送るミシェルだったが、襲われた記憶がフラッシュバックし彼女を蝕み始める。犯人は身近にいるようだ。自分をもてあそんだ犯人の正体を突き止めるべく、周囲に探りを入れていくミシェルだったが、やがて自身に潜んでいた欲望や衝動に突き動かされ、周囲を巻き込み波乱を巻き起こしていく―。

【感想】
なんかすごいの観てしまった。
ひとことでは言い表せない複雑で奥が深い作品で楽しめた。
映画はゲーム会社の社長として働く主人公ミシェルが自宅で覆面の男に襲われる衝撃的な場面から始まる。
物音とそれを聞いている猫で最初は表現され、のちほどミシェルが襲われるシーンが再現される。
面白い演出で最初から映画に引き込まれた。
ミシェルは犯人を見つけるため行動を起こすが事件の真相に迫るに従い自分でも気付いていなかった欲望や衝動に目覚めていく。
ヨーロッパ映画らしからぬ異色のサスペンスで満足した。
上映後にポール・ヴァーホーヴェン監督とピンクのパステルカラーのスーツに身を包んだイザベル・ユペールさんが登壇。
イザベルは若々しくとても64歳には見えない。
画像

ヴァーホーヴェン監督「五度目の日本ですが、今回は隣の方のおかげで特別なものになりました。」
イザベルはまず日本語で「コンニチハ」
その後「監督と一緒に来日できてうれしい。大勢のお客さんに来ていただいてありがとうございます。」と定型的な挨拶。
すぐにQ&Aに入る。男性からミシェルの正体、本当の性格を質問されて
イザベル「自分を滅ぼしてしまう面もあるかもしれないが彼女はこの出来事を通して自分自身を再構築している。ミシェルの過去や父親が殺人犯だということが彼女の本質とリンクしているのかもしれない。が、映画本編ではそのことには触れておらずひとつの情報として示されるだけ。好きに解釈して欲しい。レイプという暴力に直面して、彼女は男性的暴力がどこから来るのか知りたいと思っている。復讐に成功したの実存主義的体験となっている。」
MCの矢田部さんから、監督とユペールさんは役どころについてディスカッションを行ったのか質問。
ヴァーホーヴェン監督「一切ディスカッションはしていない。レイプの場面は危険で事故が起こり得るのでそのあたりにつては話をした。彼女の動機については一切話をしていない。するべきではないと考えていた。フロイト的分析は助けにならない。私はイザベルを信頼しているし彼女も直感的にわかっている。われわれは同じものを見ていたのでうなずくだけで大丈夫だった。」
次の質問も男性からでモデルになった事件はあるのか?
ヴァーホーヴェン監督「ミシェル10歳の時の事件が30年経った後どう影響したのか小説でもつながりは描かれていない。ミシェルを産み出して掘り下げて作り上げた。父親はノルウェーの70人が犠牲になった殺人事件が下敷きになっている。」
最後の質問は女性。暴力シーンで怪我はなかったか?大変だったシーンはどのシーンか?
イザベル「ミシェルは最初に復讐の計画をたてそれを成功させる。最後に犯人の妻がミシェルにお礼を言うミステリアスなシーンがある。彼女はカトリック信者でまじめな人なのに夫の行為に加担する。狂信的な行いで物語が複雑になっている。」
「大変なシーンはなかった。この映画を観るお客さんの方が大変かもしれません。」
「あえて言うと小さなすずめが死ぬシーン。何故かというとミシェルは小さな鳥の命でも救おうとするシーンで、いかに命が大切かというこの映画のテーマに通じてくる場面だからです。」

珍しく良いQ&Aで興趣が増した。
それにしても海外の女優は根性の入り方が違う。
この映画で、イザベルはバストトップもさらして熱演。レイプシーンにさらなる迫力を加えている。
不倫の映画なのになんにも出て来ない邦画女優とはレベルが違う(笑)



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

yutarou
2017年08月28日 08:21
60歳を過ぎ、脱いでも魅力あるのは脱帽!
まっつぁんこ
2017年08月28日 08:30
yutarouさん
まさに!
クマネズミ
2017年09月12日 18:31
今晩は。
「(イザベル・ユペールは、)不倫の映画なのになんにも出て来ない邦画女優とはレベルが違う」とおっしゃっておられますが、まさにそのとおりで、例えば、『関ヶ原』において、原作には初芽が石田三成の夜伽をする場面がキチンと描かれているのもかかわらず、映画では有村架純にそんな気配は微塵も感じられません。仮に本人自身はOKだったとしても、所属の芸能事務所の方できっとNOというのでしょう。
ノラネコ
2017年09月12日 21:10
イザベル・ユペールにつきます。
まるでキャラクターから当て書きしたみたいでしたが、原作があるんですよね。
ちょっと読んでみたくなりました。
まっつぁんこ
2017年09月12日 21:56
クマネズミさん
関ヶ原にもそんな濡れ場があったんですか。
司馬さんの作品は結構そんな感じですよね。
こどものころ『国盗り物語』読んでドギマギした覚えあり。
今読んだらどうってことないと思うけど。
私が念頭においていたのは『昼顔』です。
まっつぁんこ
2017年09月12日 21:59
ノラネコさん
オスカー取れなかったけどエマ・ストーンに勝るとも劣らない演技だったと思います。フランス語が不利にはたらいたのでしょうかねえ。
佐藤秀
2017年09月14日 14:03
突然の鹿の登場って、鹿から見れば、車にレイプされたようなものとか、妄想が逞しくなりました。
まっつぁんこ
2017年09月15日 07:10
佐藤秀さん
猫、鹿、蛸と妄想を誘うアイテム満載でした
ここなつ
2017年09月21日 15:48
こんにちは。

フランス映画祭のQ&Aの記事、とても興味深かったです。
やっぱり俳優・女優が全員「大人」なのが良かったですね!としいうものの、やっぱりイザベル・ユペールじゃないとこの迫力は無理かも!娘っこにはちょっと太刀打ちできない演技でした。
まっつぁんこ
2017年09月22日 08:43
ここなつさん
コメントありがとうございます。できれば気持ち玉おねがいします(冗談です)
ぴあの初日満足度調査で72点最下位に沈んで笑いました。が、これが面白さベスト1だと思います。
ノルウェーまだ~む
2017年09月29日 12:06
まっつぁんこさん☆
ご本人を見られたのですね!?いいなぁ~
それにしてももとになった事件がノルウェーで起きた大量殺人だったとは!!
まっつぁんこ
2017年09月29日 12:11
ノルウェーまだ~むさん
平日の昼間ちゃんと休みを取って観に行きました。
りーまんの風上にも置けない所行を有言実行
もののはじめのiina
2017年10月13日 08:45
>「あえて言うと小さなすずめが死ぬシーン。何故かというとミシェルは小さな鳥の命でも救おうとするシーンで、いかに命が大切かというこの映画のテーマに通じてくる場面だからです。」
ヴァーホーヴェン監督のこのコメントに安心しました。

>父親はノルウェーの70人が犠牲になった殺人事件が下敷きになっている。
そんなことでしたか。φ(..)メモメモ
まっつぁんこ
2017年10月13日 11:44
もののはじめのiinaさん
コメントありがとうございます。
小さなすずめが死ぬシーンのコメントはたしかイザベルだったと思います(^^)/
ノルウェーの事件はファクトを確かめてはいません。
コメントを鵜呑みにしています。

この記事へのトラックバック

  • エル ELLE

    Excerpt: 一人暮らしをしているゲーム会社の女性社長ミシェルは、自宅で覆面の男に襲われる。 その後も、送り主不明の嫌がらせメールが届き、自宅には誰かが留守中に侵入した形跡が残されていた。 過去の経験から警察を信用.. Weblog: 象のロケット racked: 2017-07-24 13:42
  • 『エル ELLE』 2017年8月27日 TOHOシネマズシャンテ

    Excerpt: 『エル ELLE』 を鑑賞しました。 イザベル・ユペールは60歳を過ぎて恥じらいも無く脱げる大女優。 【ストーリー】  ゲーム会社の社長を務めるミシェル(イザベル・ユペール)はある日、自宅で覆面の.. Weblog: 気ままな映画生活 -適当なコメントですが、よければどうぞ!- racked: 2017-08-28 08:21
  • エル ELLE

    Excerpt: う~ん、これは自分には合わなかったなぁ。 Weblog: だらだら無気力ブログ! racked: 2017-08-28 22:57
  • 『エル ELLE』

    Excerpt: 犯人探しが目的ではない。性欲を満たすことも目的ではない。ただ歪んだ彼女を受け入れることが目的なのだ。 さすがポール・ヴァーホーヴェン監督作品だと称賛する前に、さすがイザベル・ユペール様だと称賛したく.. Weblog: こねたみっくす racked: 2017-08-30 23:41
  • [映画『エル ELLE』を観た]

    Excerpt: 映画の日なので、「スキップ・トレース」に続いて、2本目を観るのだ!☆・・・ちまたで評価の高いポール・ヴァーホーベン監督作品! これが観たいから、いちいち、そこでしかやってない立川シネマシティまで来た。.. Weblog: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭 racked: 2017-09-02 09:25
  • エル ELLE / Elle

    Excerpt: 社会的にも成功した女性が、ある日、自宅で男に襲われるが、なぜか警察に届けようとしない。女性が警察に届けようとしないのには、理由があった・・・。 中々複雑な人間関係ですね。それと、ミシェルの性格も、中.. Weblog: 勝手に映画評 racked: 2017-09-03 22:35
  • エル(ELLE)

    Excerpt:  『エル ELLE』を渋谷シネパレスで見ました。 (1)主演のイザベル・ユペールがこの作品で様々な賞を受けているとのことなので、映画館に行ってきました。  本作(注1)の冒頭の舞台は、パリ郊外の高.. Weblog: 映画的・絵画的・音楽的 racked: 2017-09-12 05:21
  • ショートレビュー「エル ELLE・・・・・評価額1650円」

    Excerpt: 彼女の本当の姿とは。 予告編から期待したものを、良い意味で裏切られる。
 覆面男に襲われたた主人公が、犯人を探し出そうとするうちに、周りの男たちが怪しく思えて疑心暗鬼になり、徐々に精神崩壊して.. Weblog: ノラネコの呑んで観るシネマ racked: 2017-09-12 20:57
  • 「エル ELLE」:ハネケほどの毒はなくて・・・

    Excerpt: 映画『エル ELLE』は、久々のポール・バーホーヴェン監督作。でも現在79歳の人 Weblog: 大江戸時夫の東京温度 racked: 2017-09-13 09:42
  • 「ELLE」

    Excerpt: イザベル・ユペールが凄い。どう凄いかというと、どうもこうもなく凄い。それでは身も蓋も無いのでこう言おう。強い女…だがしかし常に芯の部分では孤独にしか生きられなかった、強い女の業の表現が絶妙である。壮絶.. Weblog: ここなつ映画レビュー racked: 2017-09-21 12:44
  • 「エル ELLE」☆正しい隣人の愛し方

    Excerpt: 原作が凄いのか、監督が凄いのか、女優が凄いのか… 確かに言えるのは、フランス映画なのが成功のカギだったことと、このミシェルを演じたイザベル・ユベールの醸し出す雰囲気が絶妙だったってこと。(ネタバレで.. Weblog: ノルウェー暮らし・イン・原宿 racked: 2017-09-29 11:11
  • エル ELLE  監督/ポール・バーホーベン

    Excerpt: 【出演】  イザベル・ユペール  ロラン・ラフィット  アンヌ・コンシニ 【ストーリー】 ゲーム会社の社長を務めるミシェルはある日、自宅で覆面の男性に暴行されてしまう。ところがミシェルは警察に通報も.. Weblog: 西京極 紫の館 racked: 2017-09-30 09:15
  • エル ELLE ★★★★

    Excerpt: 『ピアニスト』などのフランスの名女優イザベル・ユペールと『氷の微笑』などのポール・ヴァーホーヴェン監督が組んだ官能的なサイコスリラー。『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』の原作者フィリップ・ディジャンの.. Weblog: パピとママ映画のblog racked: 2017-10-11 20:11
  • エル ELLE

    Excerpt: ココアのバンホーテンと間違えやすい Weblog: ネタバレ映画館 racked: 2017-10-12 18:06
  • 「エル ELLE」

    Excerpt:  (原題:ELLE)物足りない出来だ。監督がポール・ヴァーホーヴェンだから、もっとエゲツなく、もっとセンセーショナルに盛り上げて然るべきだったが、彼もトシを取って丸くなったのか切れ味不足で退屈至極な.. Weblog: 元・副会長のCinema Days racked: 2017-10-12 21:34
  • エル ELLE

    Excerpt: バイオレンスと陶酔 * * * * * * * * * * ゲーム会社のCEOミシェル(イザベル・ユペール)は、 ある日、自宅に侵入してきた覆面男に暴行を受けてしまいます。 しかし彼女は警察に.. Weblog: 映画と本の『たんぽぽ館』 racked: 2017-10-13 19:38
  • 「エル ELLE」(2016 GAGA)

    Excerpt: 「ロボコップ」「トータル・リコール」「スターシップ・トゥルーパーズ」……ポール・バーホーベンの映画はいつも“過剰”だった。ハリウッドのコードから.. Weblog: 事務職員へのこの1冊 racked: 2017-11-15 18:48
  • 『ジオストーム』『エル』『セールスマン』

    Excerpt: 2018年1月23日に見た1本、24日に見た2本をまとめてレビュー。 『ジオストーム』丸の内ピカデリー1 ▲キャスティング・ディレクターの女優見る目は中々信用できる。 五つ星評価で【.. Weblog: ふじき78の死屍累々映画日記・第二章 racked: 2018-03-03 22:31
  • エル ELLE

    Excerpt: 【概略】 ゲーム会社の社長・ミシェルは、自宅で覆面の男に襲われる。父親にまつわる過去の事件から警察に関わりたくない彼女は、自ら犯人を捜し始める。 ドラマ .5★★★☆☆ これサスペ.. Weblog: いやいやえん racked: 2018-07-01 09:03